KではなくMの主催行事である。
直径が15cmくらいある金属製の貯金箱があって、長年Mがこれに貯金をしていた。
500円玉で満杯つめれば50万円になり、100円玉なら20万円になるという一種のおもちゃである。
始めた時期は、当地に帰郷する以前からで、少なくとも30年以上は前のことであろう。
いつから始めたのか定かではないとMも言う。
この間Kにも入れるよう度々催促されたが、Kはほとんど入れてないのでKの寄与率は2、3%しかないと思われる。
その貯金箱を開けることにしたらしい。
郵便局とも聞くが、金融機関が、これまで無制限であったコインの受け入れ数を制限し、一定数以上のコインの入金は有料にするという。
貯金箱を開ける気になった経緯はそんなことのようである。
貯金箱の開け方は、ふたの部分を缶切りで切断して開けることになる。
したがって一度開けてしまえば貯金箱の機能はそれでおしまいという代物である。
今では殆ど使うことのなくなった、古めかしい缶切りを持ち出して開けていた。
さて、数える段である。私にも手伝ってということで、手伝うことにした。
千円札が数枚ある。あとはコイン。
最初の手順はコイン別に仕分けして、まとめるという作業。その後コイン別に積み上げて軽量した。
積み上げの途中で、一番古いコインはいつの時期のものか探したら面白いかと思いつきMに提案するとやってみようという。
一度積み上げたコインをばらして、年次の古いコインを探し出したりなどもした。
刻印された発行年次を読み分けるのはなかなか大変な作業で、Kは老眼鏡を取りに行き、Mは虫眼鏡を取り出しての作業である。
さて結果である。
総金額を述べるわけには行かないが、百円玉で満杯にしたときの達成額よりも少ない値であった。
Mはもう少し多いと確信していたようで、得られた結果にはかなり不満の呈である。
コインの総数は840個であった。
そして古いコインの捜査結果は次となった。
500円 昭和56年
100円 昭和42年
50円 昭和42年
10円 昭和26年
5円 昭和37年
1円 昭和30年、昭和31年
(1円玉の昭和30年のものが、汚れがひどかったので、次に新しい昭和31年のものも採用した)
古いコインは、我が家の特別保存ということにした。
少し余談だが、今年は我が家の金婚式の年にあたる。開けた金額の行く末は、この記念行事に使うと考えているらしい。
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